令和6年度 プロジェクト研究

令和6年度 プロジェクト研究テーマ

「持続可能な社会の創り手」としての意識を高揚する教育の充実


Ⅰ はじめに

 社会の在り方が劇的に変化する「VUCA」の時代が到来し、近年では、人工知能(AI)、ビッグデータ等の先端技術がより高度化して、その技術はあらゆる産業や社会生活に取り入れられている。また、社会の在り方そのものがこれまでの常識や価値観を劇的に変える状況が生じつつあり、社会の変化が加速度を増し、より複雑で先行き不透明な「予測困難な時代」となってきていることが指摘されている。このような急激に変化する時代の中、中央教育審議会答申(令和3年1月26日)「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」では、急激に変化する時代に対応できるように「個別最適な学び」と「協働的な学び」、「ICTの活用」の方向性が強く打ち出されている。
 令和3年中教審答申では、学校教育において子供たちに育むべき資質・能力として、「一人一人の児童生徒が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう」にすることが必要と示され、その資質・能力を育成することが求められている。また、「2020年代を通じて実現すべき『令和の日本型学校教育』の姿[教職員の姿]」として、「学校教育を取り巻く環境の変化を前向きに受け止め,教職生涯を通じて学び続け,子供一人一人の学びを最大限に引き出し,主体的な学びを支援する伴走者としての役割を果たしている。」と示されている。そこで、本総合教育センターにおいては、それらの趣旨を踏まえて、今年度から調査研究統一テーマを「令和の日本型学校教育の実現を目指した取組」と掲げ、プロジェクト研究テーマについては「『持続可能な社会の創り手』としての意識を高揚する教育の充実」と新たに設定した。
 沖縄県教育委員会が推進する「沖縄県学力向上推進5か年プラン・プロジェクト」(以下、『PP』)の中で「『総括期』における『重点事項』及び『具体的取組事項』」として、「重点1 自立した学習者の育成」、「重点2 中学校期の学力課題の改善」が記されている。その『PP』の「学力向上推進マネジメント構想図」には、総括目標として「幼児児童生徒一人一人に『生きる力』の基盤となる『新しい時代をつくるために必要とされる資質・能力を育む』」ことが示され、長期目標として「豊かな創造性を備えた持続可能な社会の創り手となる幼児児童生徒の育成」が記されている。また、テーマにある「『持続可能な社会の創り手』としての意識を高揚する教育の充実」を図るためには、「子供が主体的に学びたい」と思えるための「主体的・対話的で深い学び」のある授業づくりが必須となると考える。
 以上のことを踏まえ、本研究では、県内の学校(幼小中高特支校)にとって汎用性、有用性のある実践的な研究となることを目指して上記テーマで研究に取り組む。なお、今年度は、「調査研究統一テーマ」「プロジェクト研究テーマ」ともに新たに設定した初年度(1年次)にあたるため、この1年間は理論研究の構築に努める。そして次年度(2年次)は、研究協力校・研究協力員を募り、連携して実践研究を進めていく。その際、各校種、各教科等の特質に応じた資質・能力の育成を図り、「持続可能な社会の創り手」としての意識を高揚する教育の充実を図っていけるようにする。そして、本研究終了後は成果物としてまとめ、学校現場へ研究内容を周知し、学校教育の充実や学校支援に資することを目指していく。

本研究における「目指す子供像」及び研究の方向性

Ⅱ 研究内容

1 「持続可能な社会の創り手」としての意識を高揚する教育の充実とは

 本研究では、今年度のプロジェクト研究テーマ「『持続可能な社会の創り手』としての意識を高揚する教育の充実」を推し進めていくために、以下の点を基に、研究を進めていく。また、「所員学習会」を年2回設定し、本総合教育センター全所員で共通理解を図りながら、研究の共有・深化を図っていく。

(1)学習指導要領における「持続可能な社会の創り手」について
(2)SDGs、ESDの観点からの「持続可能な社会の創り手」について
(3)「『持続可能な社会の創り手』としての意識を高揚する」こととは
(4)沖縄県教育委員会「沖縄県学力向上推進プラン・プロジェクトⅡ」における総括目標・長期目標

2 「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」(R3中教審答申)について

(1)「子供たちが育む資質・能力」とは
(2)「新しい時代の学校教育(令和の日本型学校教育)の実現」とは

3 「令和の日本型学校教育」における「子供の学び」の姿について

(1)「主体的・対話的で深い学び」について
(2)子供が主体的に学習に取り組むための「指導の個別化(個別最適な学び)」について
(3)子供が主体的に学習に取り組むための「学習の個性化(個別最適な学び)」について
(4)「協働的な学び」について
(5)「ICTの活用」について

Ⅲ 各教科における授業デザイン構想例

Ⅳ まとめ

 本研究は、本総合教育センターの統一テーマ「令和の日本型学校教育の実現を目指した取組」を基に、「『持続可能な社会の創り手』としての意識を高揚する教育の充実」をプロジェクト研究テーマとして、今年度から新たに取り組んだ研究である。初年度である今年度は、1年次研究として理論研究を中心に行い、「持続可能な社会の創り手」としての資質・能力の育成を意識した授業をデザインしてきた。成果と課題は以下のとおりである。 

1 成果
(1)「持続可能な社会の創り手」としての意識を高揚する教育の充実を念頭に、各教科における資質・能力の育成を意識した授業デザインを校種別に構想することができた。
(2)各教科における学習活動の中で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に位置付けて取り組むことで、子供がどのような姿になるのかをイメージして全体で再確認しながら、授業デザインを構想することができた。
(3)「個別最適な学び」と「協働的な学び」に取り組むに当たり、どの場面でICTを活用することがより効果的であるかを想定しながら、具体的に授業デザインを構想することができた。
(4) 各班をまたいだプロジェクト研究委員の構成によって理論構築に努めたことで、お互いの校種や教科に対する理解を深めることができた。また、所員学習会により、持続可能な社会の実現に向けた教育への理解を深めることができた。

2 課題
(1)令和6年度に構築した理論を基にしながら、各教科における授業デザインと、「持続可能な社会の創り手」を育成するための実際の取組(授業)のつながりを深めていく。
(2)本研究で目指す子供像に、実際に迫ることができる授業デザインであったかを検証しながら、常に授業改善の視点をもってブラッシュアップしていく必要がある。