(1)「主体的・対話的で深い学び」について
平成29年に学習指導要領が改訂されて以来、「主体的・対話的で深い学び」というキーワードは、必ず目にしてきた言葉で、授業改善を推進する際には、授業の軸に据えて考えるべき最重要キーワードとなっている(図9)。その「主体的・対話的で深い学び」について考える際には、大きく2つに分けて、「授業改善に向けた『学習者』の視点」から捉える場合と、「授業改善に向けた『授業者』の視点」から捉える場合がある。実際に授業改善を推進する際に、どちらの視点に立って考えるかによって、授業改善する際の手立てや工夫も変わってくる。「国立教育政策研究所の資料」(図10)を参考にしながら、学習指導要領に基づいた授業づくりと、具体的実践例として「各教科における授業デザイン」を提案していく。
(2)子供が主体的に学習に取り組むための「指導の個別化(個別最適な学び)」について
子供が自己調整しながら学習を進めていくためには、「指導の個別化」を図る必要がある。「指導の個別化」とは、個々の子供が異なる方法等で学習を進めることによって、一定の目標を全員が達成することを目指していくことである(図11)。学習を進める際に、支援が必要な子供に対しては、より重点的に指導を行うなど、子供一人一人の特性や学習進度、学習到達度等に応じて、指導方法、教材や学習時間等の柔軟な提供、設定を行う必要がある(表3)。
(3)子供が主体的に学習に取り組むための「学習の個性化(個別最適な学び)」について
子供が自己調整しながら 学習を進めていくためには、「学習の個性化」を図る必要がある。「学習の個性化」とは、個々の子供の興味・関心等に応じた異なる目標に向けて、学習を深めながら、広げるようにすることである。そのために子供の興味・関心や、キャリア形成の方向等に応じて、教師が一人一人に応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を提供することで、子供自身が、学習が最適となるように調整していく必要がある(表4)。
(4)「協働的な学び」について
探究的な学習や体験活動等を通して、子供が多様な他者と協働しながら、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、様々な社会的変化を乗り越えながら、「持続可能な社会の創り手」となることができるように、必要な資質・能力を育成していく(図12)。多様な考えが組み合わさることで、よりよい学びを生み出していくことにつながるように、教師は学習活動や学習課題の工夫を図りながら、適宜支援を行っていく必要がある(表5)。
(5) 「ICTの活用」について
ICTの活用に関する基本的な考え方として、令和3年中教審答申で「学校教育を支える基盤的なツールとして、ICTは必要不可欠なもの」であり、「これまでの実践とICTとを最適に組み合わせていく」ということを挙げている。ここでは、Society5.0時代にふさわしい学校の実現として「学校教育の様々な課題を解決し、教育の質の向上につなげる」こと、「PDCAサイクルを意識し、効果検証・分析を適切に行う」こと、「ICTを活用すること自体が目的化してしまわないよう留意する」ことが示されている(図13)。
また、ICTを活用することで、「子供はどのような学習活動ができるのか」「教師はどのような支援を行うことができるのか」について、基本的なことを以下の表にまとめて示す(表6)。